男性更年期は男性ホルモンの低下が原因?症状や対策まとめ

40~50代男性によくみられる症状に
「集中力が落ちた」
「筋力の低下を感じる」
「性欲が減退気味」

というものがあります。

「歳のせいだろう」と思って、そのままなにも対処しない人が多いようです。

また「最近落ち込みがちだから、うつなのかな」と心の疲れを感じることも。

これらは、もしかすると、男性更年期の症状があらわれているのかもしれません。

そこで近年、男性によくみられる男性の更年期障害ともいえる「LOH症候群」の症状や対策をまとめてみました。

もしかしてその症状は、男性更年期障害かも?


「疲れているのにぐっすり眠れない」
「EDで悩んでいる」
「筋肉の痛みを感じる」
「集中力が続かない」

このような悩みを抱えていませんか?

もしかしたら、それらの症状は、男性更年期障害の兆候かもしれません。

男性の更年期障害チェックリスト

気になる人は、以下の項目をチェックしてみてください。

【男性更年期障害チェックリスト】

  • 筋肉や関節が痛む
  • 大量の汗がでる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 集中力が続かない
  • 体が重い
  • 理由もなくイライラする
  • 気分が晴れない
  • やる気がおこらない
  • ヒゲの伸びが悪い
  • 性欲が低下した
  • 朝立ちしなくなった

もし、上記のような症状に2個以上思い当たる節があれば、あなたは男性更年期障害の可能性が高いといえます。

男性の更年期障害の原因は?

かつては、更年期障害は女性特有の症状と考えられていましたが、実は、男性にも更年期障害があるということが、近年になってやっと認められるようになりました。

2007年、日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス学会は、更年期の男性特有の症状に対し「加齢男性性腺機能低下症候群」いわゆる「LOH症候群」という表現を採用。

男性の更年期障害は、医学的にも認知され、さまざまな治療も確立されつつあります。

いったい男性の更年期障害は、いつからなるのでしょうか。

一般的には、40~50代の男性にLOH症候群になる方が多いようです。
しかし、30代男性でも更年期症状が出ることもあるため、油断はできません。

では、なぜ女性ではなく、男性が更年期障害になるのか、原因をみていきましょう。

男性ホルモンの減少が大きく関係している

男性が男らしくあるのは、男性ホルモンであるテストステロンの働きによります。

テストステロンは、ヒゲや体毛を生やし、筋肉質の体を作り、性欲を高め、挑戦意欲を高めるという、男性が、男性らしくあるためには欠かせないホルモンです。

思春期の少年が急に男性っぽくなるのは、その時期にテストステロンの分泌が急激に増えるからです。

その後、テストステロンの分泌は20代にピークを迎え、30代以降は、緩やかに下降線を描きながら減少していきます。

テストステロンが減少すると、性欲の減退、身体機能の低下、意気消沈、睡眠障害など、さまざまな心身の不調を招きます。

テストステロンの減少が原因で引き起こされる、男性のこれらの症状が、男性更年期障害「LOH症候群」と呼ばれるものです。

男性ホルモン、テストステロンとは?

男性ホルモンであるテストステロンは、男性に多く分泌されるホルモンで、その大半は精巣(睾丸)で作られます。
女性でも卵巣や副腎でテストステロンは作られますが、その量は男性に比べるとかなり少なくなります。

テストステロンはさまざまな作用がありますが、その作用のひとつは筋肉や骨をつくるのに大きく関わっています。

また、性に関する作用においては、テストステロンは、異性を惹きつけるフェロモンを発生させたり、興奮作用のあるドパーミンを増やす働きもあります。

勃起と大きく関係する一酸化窒素とも深い関わりがあるため、テストステロンの減少は性欲減退、勃起不全に繋がります。

さらに、心における作用としては、テストステロンは、悲しみや恐怖の記憶に蓋をする作用、眠りを深める作用、ストレスを軽減する作用があります。

テストステロンが減少する理由は?

テストステロンは、20代をピークに加齢と共に減少していくのが普通です。

しかしなかには、60代になっても40代とほぼ変わらない、テストステロン量を維持している人もいます。
そのいっぽうで、30~50代にして、平均以上にテストステロンの分泌量が減少する人もいます。

加齢以外に、テストストロンの分泌に、大きく影響を与えるものはストレスです。
強いストレスは男性ホルモンの分泌を抑制することがわかっています。

バランスの取れていない食生活や睡眠不足、多量の飲酒や喫煙など、生活習慣の乱れも、テストストロンの分泌を減少させます。

なかでも40~50代中高年の男性は社会的にも責任が重く、ストレスをためやすい年齢でもあります。
そのために60代以降よりも、テストストロンの分泌が減少する、という現象がおこっているのです。

また、うつ病やパーキンソン病、人工透析などによってもテストステロンが減少することが報告されています。

男性の更年期障害「LOH症候群」の症状

男性なら誰もが同じように、症状を訴えるわけではありません。

日常生活に支障をきたすような人もいれば、大した変化を感じないまま壮年期を迎える人もいます。

「LOH症候群」の症状を大きく分けると、身体的・精神的・性的な症状の3つに分けられます。

ここでは、どのような症状があるのかを詳しくみていきましょう。

「LOH症候群」の身体的な症状

筋肉や骨を作る働きをするテストステロンが減少すると、筋肉がおち、疲労感も増します。

それ以外にも身体のあちこちに以下のような症状が現れるのです。

【テストステロンが減少して現れる症状】

  • 筋力が弱くなったと感じる
  • ちょっと歩くと足が痛くなる
  • 階段を上るのがしんどくなった
  • 背中全体に痛みを感じることがある
  • ちょっとした運動でも息がきれる
  • 長時間椅子に座っていられない
  • 寝ている間の寝汗がすごい
  • 暑くなくても汗をよくかく
  • 体にほてりを感じることがある
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 頻繁に頭痛がする
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 昼間でも強い睡魔に襲われることがある
  • なかなか寝付けない
  • 健康診断でメタボと指摘された
  • 動悸や息切れがする
  • 吐き気がある
  • ヒゲの伸びが悪い

「LOH症候群」の精神的な症状

テストステロンの減少は身体だけでなく、心にも大きな影響を及ぼします。

「うつ病だと思っていたら、じつは、更年期障害だった」とケースもよくあるのです。

  • イライラすることが増えた
  • パニックに陥ることがある
  • なんとなく不安を感じる
  • 憂鬱な気分が続く
  • 最近笑っていないと思う
  • やる気が起きない
  • 今まで好きだった趣味も億劫に感じる
  • 集中力が低下したと感じる
  • 決断するのが難しくなった
  • 記憶力が低下した
  • 食べる量が極端に減った
  • 急に食欲が増加した

「LOH症候群」の性的な症状

男性ホルモンであるテストステロンは、性欲とも強く関係しています。

そのため分泌量が減ると、以下のような症状が現れます。

  • 朝立ちしなくなる
  • 勃起しない
  • 勃起を維持できる時間が短くなった
  • 性欲がわかない

これらの症状は、なんとなく放置してしまいがちですが、しっかり対策をとっていきましょう。

「LOH症候群」の治療や対策はテストステロンを増やすこと

男性更年期障害「LOH症候群」だとしても、初期段階の軽度な症状だと、日常生活に大きな支障をきたすことはないかもしれません。

しかしそのまま放置すると、性的な問題だけでなく、うつ病を併発し、会社に通えなくなるなど大きな問題に発展する可能性があります。

また「LOH症候群」の男性は、メタボリックシンドロームや糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞のリスクが高まるともいわれています。

そのため「LOH症候群」であるかもしれないと疑われる場合は、しっかりとした対処が必要になってきます。

「LOH症候群」のもっとも有効な対策は、男性ホルモンであるテストステロンを増やすことにつきます。

では具体的に、どのような治療方法や、対策方法があるのかをみていきましょう。

泌尿器科・男性更年期外来での治療

「LOH症候群」は、病院での治療ができます。

受診する科は、泌尿器科か男性更年期の専門外来です。

男性専用の更年期に特化したクリニックのなかには、保険適用外の病院もあるので、最初は泌尿器科を受診するとよいでしょう。

テストステロン値を測定し、検査結果に適した治療を提案してくれます。

治療内容によって、メンズ専用クリニックを選ぶのもよいですね。

つぎに、どのような治療法があるかをみていきましょう。

ホルモン補充治療

「LOH症候群」の大きな原因は、男性ホルモンが減少することといえます。

そこで、不足する男性ホルモンを外から補う方法が、ホルモン補充治療といわれるものです。

治療内容は、約2週間ごとに男性ホルモンを筋肉注射で注入する方法や、男性ホルモン軟膏を1日に1~2回陰嚢の皮膚に塗り込む方法があります。

どの方法が自分にあっているかは、医師に相談しましょう。

ホルモン補充治療の副作用

ホルモン補充治療によって「LOH症候群」独特の症状が緩和する人もいますが、全ての人に同じ効果があるとは限りません。

なかには、副作用を訴える人もいるようです。

ホルモン補充治療の副作用は、心血管系疾患、前立腺疾患、多血症、脂質代謝異常などが挙げられます。

そのため、ホルモン補充治療を受ける場合は、定期的に病院に通い、十分に経過をみながら医師とよく相談する必要があります。

漢方薬治療

感染症など原因がはっきり特定できる病気と違って、「LOH症候群」の場合、心身のバランスを取り戻すことが、もっとも適したの治療になるケースも多々みられます。

そのような場合は、漢方薬を処方することが最近増えているようです。

漢方は、東洋医学の考え方で、心身の陰陽バランスを整えていく治療法です

「LOH症候群」のための漢方薬といっても、ひとくちにみんな同じではありません。

症状や原因に個人差があるため、処方される薬はさまざまです。

医師や薬剤師と相談の上で、服用しましょう。

心療内科での治療

ストレスは、テストステロンの分泌を減少させる大きな要因のひとつです。

40~50代の男性は、日々さまざな問題とストレスで溢れています。

子供の反抗や親の介護、妻との関係の変化など、家庭内でも多くの問題を抱えやすいのが40~50代といえるでしょう。

会社でも管理職なるなどで、地位が上がることで責任が増えたり、リストラの問題で心身を病んでしまったりすることで、多くの問題を抱えてしまいやすい年代です。

これらの問題が大きなストレスとなって、自律神経や、ホルモンのバランスを大きく乱してしまうことはよくあります。

そこで、ストレスを軽減することで、ホルモンのバランスを正常に戻せる可能性が高いのです。

自分で解消できるレベルのストレスを超えているような場合は、心療内科でのカウンセリングによって、症状が緩和するケースもあります。

見えている症状にフォーカスしても、根本的なストレスの原因や、うつ状態が解消されない限り、また同じような症状が出てくるものです。

ストレスによるうつ症状が大きな原因になっている「LOH症候群」の場合は、心療内科の受診が有効になるケースも多いので、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

市販薬はどう?

テストステロンを増やす方法として、市販薬を摂取する方法がないわけではありません。

しかし、男性の更年期障害の薬には副作用もありますので、服用には十分な注意が必要です。

また、自分の症状に適したものを選ぶのは素人判断では難しいこともあり、可能であれば、医師に相談し、病院で処方してもらうのがよいでしょう。

自分でテストステロンを増やすための、具体的な対処方法を以下で紹介します。

生活習慣の改善

一般的に、テストステロンは加齢と共に、自然に少なくなっていくものです。

しかし40~50代の「LOH症候群」の場合は、加齢による減少以上に、ストレスや生活習慣の乱れが影響していることが多いといわれています。

男性更年期障害を乗り切るために、まずはライフスタイルを改善することに取り組んでみましょう。

1:食生活の改善

不規則だったり偏った食事は、自律神経を乱れさせて、ホルモンのバランスを崩す原因になります。

仕事が忙しい男性の場合、外食が増え、食事の内容が偏りやすくなりがちです。

規則正しく3度の食事を取ると同時に、不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を十分に摂取できるように心がけましょう。

また、性ホルモンの合成をサポートする働きのある亜鉛を、意識して摂取するのもよいでしょう。

亜鉛は、牡蠣、うなぎ、牛のもも肉、チーズ、レバー、卵黄、納豆、豆腐、そば、ごま、抹茶、アーモンドなどに多く含まれています。

サプリメントに頼ってもOK

食生活を見直したくても、どうにもならないというケースはあります。

「食生活を見直す」ということが、大きなストレスになってしまってはつらいものです。

そこで、サプリメントに頼ってもよいのだと、知っておきましょう。

基本的な栄養は食事から摂取したほうがよいのですが、サプリメントで栄養を補助することで、栄養の質を改善できることもあります。

2:適度な運動

適度な運動は、筋肉の低下や肥満を防ぐのに効果的といえるでしょう。

軽いウォーキングや水泳、ジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。

普段なかなか運動する時間が作れないという方は、エレベーターを使わずに階段を上り下りするだけでも、随分と違ってくるはずです。

ウォーキングなどの有酸素運動は、男性ホルモンの分泌を増加させるという研究報告も出ています。

趣味がゴルフや山歩きという方は、運動不足の解消と同時に気分をリフレッシュできます。

3:禁煙、お酒を控える

喫煙者の方は、「LOH症候群」にかかる割合が高くなるという傾向があります。

タバコを吸わない人と比較してみると、1日11~20本吸う人は約1.5倍、21本以上では1.65倍と、タバコの本数が多い人ほどEDのリスクが高くなります。

引用:ファイザー製薬 すぐ禁煙.jp

喫煙は、男性の更年期障害を引き起こす要因のひとつだけでなく、さまざまな体の機能障害を引き起こす可能性があるものです。

喫煙者にとっては、ハードルが高いかもしれませんが、健康を考えると、できれば禁煙することをオススメします。

また、飲酒も少量のアルコールであればとくに問題はありませんが、度を超える飲酒は体にとっては負担になるのです。

お酒を飲みすぎることは、「LOH症候群」を悪化させる要因にもなり、糖尿病や、心血管疾患のリスクを高めるので、なるべく控えたいものですね。

飲むなら、ビール1本程度にしておくとよいでしょう。

4:自分なりのリラックス方法をもつ

ホルモンの分泌は、脳にある視床下部から命令されます。

視床下部はホルモンだけでなく、体を維持する自律神経のバランスを保つ働きをしているので、自律神経のバランスが崩れると、芋づる式にホルモンのバランスも崩れやすくなるのです。

自律神経は、生活習慣の乱れやストレスによって、正常に機能しなくなります。

日々、なるべくストレスを溜め込まないことが大切です。

好きな音楽を聞いたり、趣味のカメラ撮影を楽しんだり、休日は家族でキャンプに出かけたり、自分なりのリラックス方法をもつことがストレスコントロールに役立ちます。

もう、更年期障害は怖くない

大人な男性の、原因がわからない不眠や、倦怠感や無気力・性欲減退・EDは、男性の更年期障害である「LOH症候群」であることが多いようです。

更年期障害の原因は、男性ホルモン、テストステロンの減少にあります。

男性ホルモンが減ってしまう理由は、ストレスや生活習慣の乱れなど人によりさまざまですが、原因に適した対処方法を取ることで、症状を軽減できます。

「年齢のせい」と放置することで、症状を悪化させることもあるので、早めに対策をうちましょう。

気になる症状があって悩んでいるのであれば、専門家泌尿器科や男性更年期外来で診断してもらってはいかがでしょうか。

ご自身の「LOH症候群」の原因を知り、正しい対処方法を取ることで、再び活力溢れる生活を取り戻しましょう。